ロシアは映画が有名って本当?最も“ロシアらしい”SF映画『惑星ソラリス』の魅力に迫る!

Здравствуйте (ズドゥラーストビーチェ=こんにちは)!どうもタヌ吉です。

私、都内某私立大学からモスクワ市内の大学であるMGIMOへ一年間の交換留学に来ている、日本産タヌキです。

 

本日はロシアを代表する映画であるСолярис『惑星ソラリス』について書いていこうと思います!

みなさんは映画と言われると、どんな国を連想するでしょうか?有名どころでいえばハリウッドで有名なアメリカ、カンヌ国際映画祭でお馴染みのフランス、もちろん日本の映画も世界に高く評価されるほど魅力的ですよね。

しかし実はここロシアも世界的に映画で有名な国なんです!

実際に世界四大映画祭の一つであるモスクワ国際映画祭も開催されるくらいですからね。

 

かくいう私もこれといって映画に詳しいわけではないのですが、素人目で見てもロシアの映画には他の国のものとはまた違った独特な世界観があり、なんとなくいつまでも心に残っているような味わい深いものが多いのが特徴だと思います。

今回は私が初めて見たロシア映画であるСолярис『惑星ソラリス』をご紹介致します!

f:id:hahaha637:20181120023435p:plain

 

映画の概要はざっとこんな感じ。

主人公の心理学者クリスは、惑星ソラリスを探索中である宇宙ステーション“プロメテウス”との通信が途切れたため、調査の為に海と雲に覆われた惑星“ソラリス”へと派遣されることとなった。

ソラリスを取り巻く海は、全く摩訶不思議な話だが実は知性を持つ海であり、ステーションからその惑星を見た者は、実際には存在しえない“幻想”を見るはめとなる。

初めはそんな非現実的な“幻想”に飲み込まれた他の研究者たちを鼻で笑い飛ばしていたクリスの前にも、「プロメテウス」内で10年前に死んだはずの元妻が現れてしまう。

科学者でありリアリストでもあるクリスは、地球から遠く遠く離れたこの「プロメテウス」で、儚くも深い愛に溺れていくのである…

 

「ソラリス」といった宇宙を舞台にした映画にも関わらず、「愛する妻を取るのか、それとも現実主義者らしく仕事を取るのか」といった、きっと地球上のどんな物語よりも泥臭い“ド定番”を繰り広げるこの映画。

他にあるSF映画のように宇宙映画らしい大胆さはなく、起承転結すらもはっきりしりしていないのに、なぜか心に残る作品です。

きっと“知性を持った海”といった設定の斬新さに対して、人間の心情の機微を描く繊細な場面展開が印象的なんでしょうね。

この映画には薄ら寒いような、どこか冷たい雰囲気が終始漂っています。宇宙ステーションという決して逃げることができない閉鎖的な空間で起こる、もう会えなかったはずの最愛の人とのロマンスが、ますます主人公クリスをソラリスの幻想へと溺れさせているのでしょう。

  

f:id:hahaha637:20181120023843p:plain

 

惑星を取り巻く海が知能を持っていて、それがその海を眺める者の脳との間にコミュニケーションを生み出し幻想を作り出す!?…改めてみても本当になんて奇抜な設定なんでしょうか笑

でも自分がもしもソラリスの海を見たときは、一体どのような幻想が目の前に現れるのか気になりますよね。

私は飛行機ですら怖いと思うような臆病者なので万が一宇宙へ行くはめとなってもすぐに地球が恋しくなると思うのですが、自分でも意識していなかったような理想的な幻想に出会ってしまったならば、すぐにソラリスの海へと飲み込まれてしまうような気もします。

例えばとある朝の電車の中で、例えばとあるつまらない講義中に、あるいは夜眠りに落ちる前のまどろみの中…何ともない日常の中でふとなんども考えてしまうような、忘れられない作品です。

ただし先に書いた通り非常に淡々とした映画でもありますので、眠たい夜に観るのは避けてくださいね!笑

 

如何でしたでしょうか?

 

斬新な設定なのに心にするすると入ってきてしまうよう不思議な作品は、実はロシア映画には多く存在します! 

興味を持った方は是非自分で見てみてくださいね!

До свидания (ダスビダーニャ=さようなら!)