世界一長いシベリア鉄道、どんな人だったら楽しめるの?シベリア鉄道〜適正編〜

Здравствуйте (ズドゥラーストビーチェ=こんにちは)!どうもタヌ吉です。

私、都内某私立大学からモスクワ市内の大学であるMGIMOへ一年間の交換留学に来ている、日本産タヌキです。

本日はシベリア鉄道〜適正編〜についてご紹介しようと思います!

 

シベリア鉄道…ロシアに全く関心がない方でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

日本に最も近い都市であるロシア東に位置するウラジオストクから、首都モスクワまでの9289kmを約7日間かけて駆け抜ける、そんなロマン溢れる旅路なのです。

(右:ウラジオストク。左:モスクワ

世界で最も広いロシアの土地を、ほとんどすべて走り抜ける旅。シベリア鉄道に最初から最後まで乗り切ったものは地球を制覇したといっても過言ではない。)

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人によっては至福、人によってはただの苦痛

しかしなんと私タヌ吉、そんな旅に今回とうとう挑戦しちゃいました!

 

ただ…結論から言いますといやぁ、ロシアオタクとまではいきませんが比較的ロシア愛好家な私でも、中々にきつい旅でしたね…

一週間一人で、しかも周りも全員ロシア人… 食べ物を買うにも、何を質問するにも、誰に話しかけられるのも全部ロシア語ロシア語ロシア語!!!

ある晩にはロシア語で怒られる夢まで見てうなされてしまいました笑

 

ロシアの広大な土地を一つの鉄道で駆け抜ける、一見そんな夢に溢れる旅ではありますが、残念ながら人によっては期待外れの本当に地獄の時間にしかならないと思います。

 

例えば…

 

・ロシアに全く興味がない 

言わずもがなです。なぜならあの空間はどこもかしこもぜーんぶロシアだから。接客のクオリティも、窓に映る景色も、乗客たちも… そんなロシアのある意味人情のようなものを楽しめない人には辛いでしょう。

 

・美味しい食べ物を旅に求める

基本的に列車の食堂かホームにある売店で飲食を済ませます。味も決して良いとは言えません。

 

(鉄道の食堂。愛想が良いとは言えない店員たちを相手に食糧を確保する。)

 

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・ベッドの上でじっとしていることが嫌い 

平均で1時間に一回ほど駅に止まりはしますが、外を歩けるほどの長時間停車する駅は1日に3〜4駅ほど。寝ることよりも体を動かすことが好きな人には向かないでしょう。

 

・睡眠が浅く、神経質な人 

実は私がこれに当たりました。シベリア鉄道はウラジオストクからモスクワまで走ってはいますが、そんな距離を移動するのは物好きな外国人ばかり(例えるなら北海道から沖縄まで一輪車で10往復する。現地ロシア人たちにとって私たちのロマンは、それほど意味のわからないものなのです。)。

現地人は半日、長くてもせいぜい1日程度しか乗りません。当然人の入れ替わりも激しいですし、夜中に乗って朝に降りる人もいます。

枕が変わるとぐっすり寝られず、不眠のせいで体調を崩してしまう人には厳しいでしょう。

 

…さて、ここまでネガティブなことばかりを書きましたが、もちろんマイナスとプラスは表裏一体。

もしもあなたがこんな人であれば絶対に楽しめます!

 

・ロシアが好き・もっと知りたい!

ロシア人は鉄道の旅に慣れている方が多いため、みなさん自分のスペースを快適に使っていました。お気に入りの本を読んだり、紅茶を飲んだり。列車でたった一人の外国人であった私にクッキーをくれたり… その渡し方がまたぶっきらぼうでロシア人が愛らしくなりました笑

街中ですれ違うだけでは中々知ることができないロシア人の日常に、少しでも触れることができた貴重な機会でした。

 

・ぼーっとするのが好きな人

いくらゆったりするのが好きな人であっても、家でだらだらしているとなんだか罪悪感に襲われませんか?

しかしここはシベリア鉄道。寝るか食べるか以外ほとんどすることがありません!

忙しくて中々読めなかった本や映画に没頭するのもよし。変わらない雪景色を音楽を聴きながら眺めるのも良し。ただひたすらに寝るのも良し。

日本の雑踏から離れた非日常で、心ゆくまでやすみたい人にはうってつけです!

 

・人と話すのが好きな人

ロシア人はどちらかといえばシャイであまり積極的に話しかけてこない人が多い気がします。一見ブスッとしていて怒っているのかと怖いときすらありますしね…

しかしこちらから話しかければ案外笑顔で色々と話してくれるものです。

すでに書いたとおり入れ替わりが激しいため、様々な場所に住んでいるたくさんのロシア人と話すことができます!

モスクワやサンクトペテルブルクなど有名都市に行っただけでは決して会えなかったロシア人たちと、一期一会の時間を楽しめますよ。

 

(同じワゴンだったおばさんにもらった紅茶。砂糖を遠慮して少ししか入れなかったら、爆笑して大量に入れてくれた。)

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…さて、ここまで悪いことも良いことも書いてきましたが、きっとどんな旅でも楽しさと同じくらい辛いことがあるものだと思います。

列車の中で一人、日本からどんどんと遠ざかっていって…家族や友人が本当に恋しくなりました。

美味しいご飯が食べられず、いびきのうるさい乗客がいて全く寝られず…帰りたい、と切実に思いました。

 

しかしそれでもモスクワに着いて駅へ降りたとき、今までに感じたことのない達成感を味わえたことも事実です。

ただ列車に乗っていただけだと思う方もいるかもしれませんが、今回の旅は私にとって忘れることのできないものでした。

 

シベリア鉄道は決して全員にオススメできる旅ではありませんが、もしもやらないで後悔する人がいるとしたら、それはあまりにも勿体無いです。

私のこのブログが100%役に立つかどうかはわかりかねますが、もしも一歩踏み出すことを迷っている方の背中を押すことができれば幸いです。

 

もしもここまで読んで少しでも「私もシベリア鉄道に乗ってみたいな」と思う方がいれば、ぜひ次の『シベリア鉄道〜購入編〜』でお会いしましょう!

 

До свидания (ダスビダーニャ=さようなら!)