シベリア鉄道って一体どんな旅?シベリア鉄道〜乗車編〜
Здравствуйте (ズドゥラーストビーチェ=こんにちは)!どうもタヌ吉です。
私、都内某私立大学からモスクワ市内の大学であるMGIMOへ一年間の交換留学に来ている、日本産タヌキです。
本日はシベリア鉄道〜乗車編〜についてご紹介します!
シベリア鉄道〜適正編〜・〜購入編〜・〜準備編〜を見て乗ってみたいと思ってくださった方は、ぜひこの記事を参考に旅を快適なものにしてくださいね。
約一週間の鉄道生活、実は未だに覚えていることがたくさんあるんです。
今日はある意味シベリア鉄道のネタバレをしますので、最初から最後まで旅を自分の目で確かめたい方には閲覧注意かもしれません!
・まじで売る気のないパン屋
食堂車に行かずとも、1日に3、4回は店員の人が各車両にパンを売りに来てくれくれます。
しかし彼らは本当に買わせる気あるのか?ってくらいのスピードと声の小ささで去っていくんですね。
歩くというより小走りくらいのスピードです。やる気があるんだかないんだか...
(一日このピロシキ一つで生きる日もあった。めちゃくちゃ美味しいわけではない。)
「ピロチキ〜」(=ロシアのパン。中にジャガイモや肉などが入っている。)と囁やく声が聞こえたら、すぐさま財布を取り出して買ってくださいね!
一つ150ルーブルです。予めお金を用意しておくと便利ですよ。
・駅員の愛想のなさ
トイレ掃除や降車準備など、彼らは案外働いてくれます。しかし注目せざる得ないのがその無愛想具合い。
凄まじいしかめっ面で何を怒鳴っているかと思えば、「もう電気を消すよ」とか「あなたの駅は次に止まるところだからね」など、案外親切なことを言ってくれてるんです。
もう少し笑顔で話せばその親切さがこちらにも伝わるのに...というのは私たちの都合ですね。
ぶっきらぼうだけど実は優しい。国民全体がツンデレなところがまたロシアの良いところなのかもしれません。
・21歳になって本気で怒鳴られる
シベリア鉄道のトイレって、トイレットペーパーも流してはいけないんですよね。
考えてみれば当たり前です。水道に繋がっているわけでもなく、途中の駅で汚物だけを線路の上に流すんですから。
しかしやはり私とて日本人。いつもの習慣が抜けず、無意識のうちに便器に紙を流してしまうものです。
まずい!とは思うのですが、トイレの水にひたひたになった紙を素手で取る訳にも行かず...そのまま出てしまったんですね。
しかし運悪くそれが駅員にバレて(しかし今考えるとなぜバレたのか...)、鬼の形相で叱られました(笑)
親以外の人に怒鳴られることなんて滅多にありませんからね。正直めっちゃビビりました。
その後は教育がたまものとなり、無事トイレ優等生になれましたけどね!
(揺れる電車の中でトイレをするのは意外と難しい。)
・お節介焼きな乗客たち
初めてのシベリア鉄道で右も左も分からないタヌ吉。しかし持ち前の人に助けれやすい体質から(その分トラブルにも巻き込まれやすいのが難点)、たくさんのロシア人に助けてもらいました。
例えば寝ている間に勝手にベッドメイキングをしてもらったり...(私は強盗かと思って飛び起きる羽目となりましたが)
はたまた半年あっても飲みきれない量のティーパックをどっさりくれたり...(あのおばあちゃんは自分が持って帰るのが面倒だっただけの気もしますが)
ときにはおばさんたちの井戸端会議に招待していただいたり...(会話の3%くらいしか理解できない上に、めちゃくちゃ仲良さげだったおばさま同士は赤の他人だったという驚愕の事実)
確実に親切ではあるけれど、どこか少しずれている。
そんなロシア人たちと一緒に旅ができて、まぁ結果的にはとても楽しかったです!
・暑い
シベリア鉄道〜準備編〜にも書きましたが、一週間のうち3日間はほんっとうに暑かったです!2月の!冬景色の!!ロシアなのに!!!
要は暖房を効かせすぎなんですね。パンツ一丁で寝てるおっさんもいました。
まさか真冬のロシアで熱帯夜に苦しむことになるとは...半端じゃない暑がりな私には地獄の日々でした...
・でも停車駅は極寒
当たり前です、そもそも名前がシベリア鉄道なんですから。室内が異常なんです。
その中でも特に一番寒かったのが「ジマ駅」、翻訳すると「冬駅」です。
なんとその気温、マイナス41度...!
みなさん恐らく想像がつかないと思います。当たり前です、体験した私ですら信じられないくらいに寒かったんですから。
しかも事もあろうか私はブーツを履くのがめんどくさくてビーチサンダルで降りたんです。
思わず「ひょほうっ」みたいな、人生で一度も喉から出たことのない声で叫んでしまいました。
本当にバカですよね...駅員さんが笑ったのを見たのは、後にも先にもあの一回きりです。
(ジマ駅。音も消えるくらいに寒くて、まるでこの世の果て。)
あそこには朝早く止まったこともあって、暗くて、寒くて、怖くて...ホームに降りる人もほとんどいなくて、本当に世界に一人ぼっちになった気分になりました。
とぼとぼ電車に戻ってあたたまったあのときほど、光や温もりに感謝したことはありません。
生きることって、心身共にあたたまること。ただそれだけなのかもしれませんね。
・車両替えをするときも極寒
食堂車に行くために車両を替えなくてはいけないことがあります。
しかし上述の通り極寒の気温+まぁまぁなスピードで風を切っていく電車なので、実は車両替えするときが一番寒いんです。
私は一度少し湿った手で車両の鉄扉を開けようとしたら、皮膚が扉にくっついてしまいました(笑)
タヌ吉細胞は今もあそこに残っているんですかね...誇らしいような、情けないような...
あと、人間は本当に寒いと眉毛・まつ毛・鼻毛が凍る感覚がなぜかわかるんですね。
特に鼻毛は「あ〜今凍ってる〜」ってわかるので、おすすめです(?)
・時差で時間が戻っていく絶望
前回の記事にも何度も書きましたが、シベリア鉄道は本当にやることがありません。
だからこそどれだけ暇を潰せるかが勝負なんです。でも意外と人間って、本当に何もやらなくて良い空間で好きなだけダラダラしろって言われると難しいもの...
結構頑張って動画を見たり本を読んで、やっと夕方になった...と思って携帯を見たら時刻が一時間戻っているときのあの絶望ったらないです。
私が頑張って潰したあの一時間は一体どこに行ったのか...世界って、不思議!
・全ての駅が誰かの故郷
シベリア鉄道って本当におびただしい数の駅に止まって行くんですよね。
しっかりと数えてはいませんが、100駅はゆうに超えていたと思います。
(やばい数の停車駅。一番左の項目の、真ん中の数字が停車時間。グーグルマップと合わせてみると分かりやすいのでオススメ。)
しかしどんな小さな駅にも、どんなに短い間にしか止まらない駅でも、必ず誰かが降りて行きます。
モスクワという街に向かって故郷からからどんどんと遠退いて行く私には、どこか安心した顔で降りて行く乗客たちが本当に羨ましかったです。
なーんにもない冬景色が続くシベリア鉄道の車窓。
何ら変わらない景色なのに、みんな自分の故郷が近づくと待ち遠しそうに外を眺めていました。
自分の故郷なら、どんなに他と似た景色でもやっぱりわかるんですね。
世界のどんなところにでも、そこに家がある限り、そこは誰かが帰る場所なんです。
そんな当たり前なことに改めて気がつかされた旅でした。
(モスクワに着く朝の景色。ロシアに私の故郷はないけれど、太陽はみんなのものだ。)
以上がシベリア鉄道〜乗車編〜でした!
いかがでしたでしょうか?
私自身このシベリア鉄道の旅は正直もう二度やりたくないですが、それでもやっぱり一度はやらないと後悔する旅であったと思います。
何もない異空間だからこそ、当たり前のありがたさに改めて気がつかされました。
現にモスクワで駅に降り立ったとき、自分の足で大地を踏みしめて歩ける素晴らしさに涙をが出ましたよ。
私のこのブログがシベリア鉄道を乗りたいと思っている方に100%役に立つかはわかり兼ねますが、少しでも貢献できていたら幸いです。
百聞は一見にしかず。興味を持った方は是非自分で見てみてくださいね!
До свидания (ダスビダーニャ=さようなら!)